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インド人が基礎を築いたとと言われる杭州市霊隠寺の諸佛護臨内に祀られた仁王様。 仕草がアジアらしくなかったり、風貌が白人のような仁王様が少なくありません。 |
鬼が人間の女性と結婚をした…無理矢理にだ。
彼女は、自分が身ごもらされたことを知り、産まれてくる子どものために開き直ることにした。
人間として産まれてくるのか、恐ろしい鬼として産まれてくるのか……どうでもいいと思った。
何故そう思ったのか…後悔はしたのだが、子どもが自分の中に宿ったことを知った時、この子を失いたくないという沸き上がるような彼女の気持ちが、立ち止まって考える理性を拒絶してしまったようだ。
人間の妻は鬼の子を産む。
鬼は人間の一生の間では殆ど歳を取らないが、人間の妻は年を経るとともに老婆になってゆく。
妻は夫である鬼に言った。
「わたしが年老いてゆくと貴方はきっと私を捨てることでしょうね」
「いや、おれはおまえを手放さない。
ただ、おまえも年老いてまで生きたいと思わないだろう。
だから、おまえが年老いたなら、おまえをおれが食ってしまう。
それでおまえと永遠に一緒いられることになる」
妻は当然に年老いていった。
一人っ子の子どもも大きく育った。
自分はそろそろ夫に食べられるのだろうと思い始めた。
一ヶ月ほど前から妻は体調の異常に気づいていた。
今回の体調不良は長すぎるように思えた。
子どもの結婚準備に追われて、気が張っていたせいもあり、病院にも行かずに過ごしていたのだが…
ある日とうとう体が悲鳴をあげて倒れてしまった。
病院には運ばれた妻はそのまま入院してしまう。
夫は医者から、妻の残り少ない命を告げられる。
夫は毎日妻の病室に通った。
「もう駄目みたい。もう私の役目は終わったようね。いつ食べても良いわ」
「こんな病気のお前を食べたら、おれも病気になってしまうじゃないか」
「鬼でも病気になるの?」
「そりゃ鬼だって病気になるさ」
「今まで病気したこと無いじゃない」
「病気になるようなことを避けてきたからだよ。」
…どうも上手く表現できない。
落としどころは、
妻が自分は利用されているだけだと思っていたという状況下で…鬼が深く妻を愛していたということを表現したいのだが…
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